痛くない!苦しくない!「内視鏡検査」の取り組みFeature

なぜ、内視鏡検査は苦しいのか

内視鏡を持った女性医師の写真

内視鏡検査とは、いわゆる「胃カメラ」のことです。
内視鏡検査は苦しいといわれる原因は、肛門から入れる大腸検査は別として、結局「喉の通り」が問題なのです。内視鏡が喉を通る際に咽頭反射(いんとうはんしゃ)を起こし、「オエッ」となってしまいます。

以前は、麻酔なしが当たり前だったのですが、今は麻酔の注射をして、眠った状態で受けられる方のほうが割合として多くなりました。麻酔を使われない方は、むしろ1~2割程度です。

咽頭反射の強い方は、麻酔を使うことをおすすめします。また、初めての方や、他でやって辛かった方などは、緊張感や恐怖心から、全身が固くなってしまいます。
そうなると、かえって苦しい思いをしなければならなりません。そういう方には、初めから麻酔を使うことをおすすめします。

以前から定期的に内視鏡検査されている方は、そのまま何もせずに受けられることもあります。
2、3回受けられると力の抜き加減がわかってきて、検査をするほうとも息が合ってくるのです。
非常にやりやすく、すっと入って何ごともなく終わる場合もあります。
麻酔を使っても、使わなくても、検査の結果に違いはありませんのでご安心ください。

口からと鼻からの違い

経口内視鏡
経鼻内視鏡

当院では、鼻からの内視鏡も用意しています。
鼻からの内視鏡を使用するのは、やはり口から入れる内視鏡よりも楽だからです。
鼻のから入れる内視鏡は、口から入れるものよりも細くなっています。細くないと入らないから、4.8ミリの細さのものを使用します。口からの場合は9.6ミリですから、半分の太さというわけです。

当院の細径の経鼻内視鏡はハイビジョン画像に対応しており、今までの経口内視鏡スコープと同等の観察が可能となっております。

鼻と口、どちらの内視鏡を使うかは、患者さまのご希望もあります。
「ここはお鼻からも内視鏡ができますよね」と、当院へいらっしゃる方もいます。
ただ、患者さまに「口からの内視鏡は、寝ていてもできますよ」とお話しすると、「じゃあ、そっちでお願いします」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

内視鏡検査で発見される病気

  • 内視鏡検査で発見された胃炎の写真 胃炎
  • 内視鏡検査で発見された胃潰瘍の写真 胃潰瘍
  • 内視鏡検査で発見された胃ガンの写真 胃ガン
  • 内視鏡検査で発見された胃ポリープの写真 胃ポリープ
  • 内視鏡検査で発見された十二指腸潰瘍の写真 十二指腸潰瘍
  • 内視鏡検査で発見された逆流性食道炎の写真 逆流性食道炎

大腸カメラで発見できる主な病気

  • 内視鏡検査で発見された大腸ポリープの写真 大腸ポリープ
  • 内視鏡検査で発見された大腸炎の写真 大腸炎
  • 内視鏡検査で発見された大腸憩室症の写真 大腸憩室症

内視鏡検査は早期がん検診の側面もありますが、最近では、潰瘍が見つかるケースは減っています。
一方、最近増えているのは、逆流性食道炎です。

大腸の場合、ガンになる手前のポリープの状態で、手術にならずに切除できれば、身体にはいちばんです。
胃、大腸のポリープや、ほんの早期がんであれば、当院内で内視鏡で切除することができます。

ピロリ菌の検査も、ご希望される方も増えています。
「ピロリ菌が存在すると、胃癌になるリスクが高まる」との報道があちこちでされているせいか、関心が高まっているようです。
単にピロリ菌の検査、除菌だけの場合は、自費診療になってしまいます。
ピロリ菌がいた場合は除菌をおこないますが、まず慢性の胃腸炎があるような場合は内視鏡検査をして、疑いがある場合は組織を取って検査をします。そこでピロリ菌が発見された場合は、保険で除菌することができますので、特に若い方はやっておいた方がいいでしょう。

定期的な内視鏡検査のすすめ
定期的な内視鏡検査をしている画像

内視鏡検査を定期的におこなうメリットは、ガンが発見されたとしても、内視鏡で取れるくらいの早期がんであるということです。
3、4年も経って見つかったら、手術をしなければならなくなっています。
「それよりは検診されたほうがいいのではありませんか?」とおすすめしています。
50代になったら一度検診をおすすめしますが、特に、後期高齢者になられたら、年に1回の検診をされる意義は大きいでしょう。